蛮行と信念 ~ 「機械の中の幽霊」感想 ~


「現代、古代、あるいは前史時代、いつの時代でも証拠は常に同じ方向を指し示している。すなわち、人類の悲劇はその野蛮ではなく、誤った信念にとりつかれやすい点にあるいうことを」ー 機械の中の幽霊 第15章

確かに人間にはある種の野蛮性というか、野性的な一面もあるかもしれない。
進化の過程で組み込まれた生存競争に対応するための、弱肉強食を遂行できる程度に。
しかし、その性向が何の理由もなく、突発的に暴走することはない。
少なくとも、人類の悲劇の引き金になることはない。
問題は、蛮行を助長する動機の方が、人間の性向よりも強烈な発火能力があるのではないだろうか。
十字軍もナチスもオウム真理教も、レールの上を走る暴走列車のように思う。

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