さまよい歩く昼休憩①
再就職してからの悩み事の一つに、「昼休憩をどこで過ごすか」というものがある。
今の会社は事務所が狭いので、昼休憩は外で過ごすことになる。
そこで、初出社以来過ごし方を色々模索してきた。
初日までは会社の中で食べようと思っていた。
事務所が狭いことは面接の時に判っていたが、昼飯くらいは食べられるだろうと考えていたのだ。
しかし、会社の人に外出を薦められた。確かに、狭い事務所内で他のスタッフが仕事をしているなか、とてもリラックスして休憩をとれる雰囲気ではなかった。
とうより、休めない。スタッフが少ないので、電話が来ればとらなくてはいけないし、来客があれば応対しなくてはいけない。
なにより、他のスタッフが皆さん休憩時間に外出するのに、僕一人だけその掟みたいなものに逆らうことは、一番の新参者としてできるわけなかった。
そこで、初日からいきなり予定が狂ってしまい、貴重な一時間をどのように過ごせばよいのか途方に暮れていると、僕に仕事を教えてくれる人が「近くに吉野家がある」と教えてくれた。
そこで、その日の昼飯は吉野家に決めた。
しかし、牛丼だけで一時間はつぶせない。しかも、僕の唯一の心の友である煙草が吸えない。
僕は15分ほどで牛丼を平らげ、早々に吉野家を後にすると、バイクに跨がって会社近辺の散策をすることにした。
バイクで近所を流していると、確かに喫茶店らしきものはいくつかあったが、毎日喫茶店では僕の予算が破綻してしまう。
そんな中で見つけたのがマックスバリューだ。
ここには喫煙所があり、ベンチもひとつあった。それに、小さい店だがマクドナルドもある。
その日はベンチにオッサンが座っていたので、僕は灰皿の脇で立ったままたばこを吸いながら、明日から休憩はここで取ろうと思った。
そして、その日の昼は終わった。
次の日、マックスバリューで休憩を取る気でいたのだが、よく考えれば確実に座れるとは限らないことを思い出した。昨日もオッサンが座っていたし、誰でも自由に座れるベンチだ。
しかし、これは致命的な欠陥だった。なぜなら、マックスバリューで弁当を買ったとしても、ベンチが埋まっていれば立って食べるしかない。それではさすがに昼休憩の意味がない。僕はその時まで、休憩とはゆっくり座って動かないことだと考えていたのだ。その点については、翌日新しい目が開くのだが、その日はまだゆっくり過ごすつもりでいたので、せめて昼飯はゆっくり食べようと思い、再び吉野家へ向かった。
するとなんと、その日から牛丼並盛りが380円から270円に値下げしていた。その値下げは1週間ほど続くらしい。半年無職の金欠病である僕にとっては、この上なく有り難い話だ。事実、昼飯代さえしんどい状況で(食い物よりも煙草を買うため(*´Д`*))近い内に弁当持参しようと思っていたくらいだ。
そこで、ひとまず牛丼を食べ、その後でマックスバリューへ向かうことにした。
天気は晴れ。ここ最近ずっと天気が良い。
幸い、その日はベンチが空いていたので、休憩中そこで過ごした。
過ごしてみて初めてわかったことだが、思いっきり居心地が悪い。
というのも、ひっきりなしに買い物客が行き交う。子供も多い。とてもゆっくりなどできなかった。
長くなってしまった。
というわけで明日に続きます。